事例紹介/規文堂webマガジン「Scale(スケール)」vol.02「京都府立大学稲盛記念会館」

京都府立大学、京都工芸繊維大学、京都府立医科大学の国公立三大学が進める「教養教育共同化」の教育研究施設「稲盛記念会館」に、机、イス、黒板・ホワイトボードなどの什器を納入しました。京都府立大学副学長であり、京都三大学教養教育研究・推進機構の運営委員長も務める小沢修司様に、日本初の「教養教育共同化」の試みについて、またその中核となる稲盛記念会館が教育・研究に果たす役割についてお聞きしました。

京都三大学教養教育研究・推進機構

Interview:京都府立大学 副学長・教務部長 / 公共政策学部 教授 小沢 修司様

Voice:京都の三つの国公立大学が日本初「教養教育共同化」をスタート

 京都府立大学、京都工芸繊維大学、京都府立医科大学の三つの国公立大学は、2014(平成26)年度から全国で初めてとなる「教養教育共同化」をスタートさせました。

 私たち三大学は、いずれも京都の中心地にキャンパスを構え、100年以上の歴史を重ねてきました。中規模総合大学として人文・社会系から自然科学分野までを備えた京都府立大学、理工系を中心とした京都工芸繊維大学、そして医療・看護に携わる人材を育てる京都府立医科大学と、それぞれが独自性を持って教育・研究を展開していますが、大学としては規模が小さく、各大学で提供できる教養教育科目に限りがあることが課題でした。そこで約10年前より教育・研究の連携を進めることとし、単位互換制度の活用を経て、共同化する科目の整理や学年暦の統一、教養教育共同化施設の建設など基盤整備を進め、ついに「教養教育の共同化」を実現しました。

 「教養教育の共同化」の拠点となるのが、京セラ株式会社の名誉会長・稲盛和夫様よりご寄付を賜り、本学内に新設した「稲盛記念会館」です。本学のある北山地域一帯は、京都府によって「北山文化環境ゾーン」として整備が進められており、教養教育共同化施設の建設もその一環に位置づけられています。京都府立総合資料館や京都府立植物園などが集積する文教エリアにふさわしく、教育・研究設備を充実させることはもちろん、環境にも配慮した施設が完成しました。

教養教育共同化

これまでになかった幅広い教養科目を履修し、学びを豊かに広げる

施設内の様子

 「教養教育共同化」の特長は、これまで各大学単独では学ぶことの難しかった幅広い教養科目をすべて自大学の授業として履修できるところにあります。各大学の特色が光る計68科目を設定。講義は毎週月曜の午後、稲盛記念会館で集中して行われます。幅広い選択肢の中から人文・社会・自然諸分野をバランスよく履修することで、実に豊かな学びを得ることが可能になりました。

 例えば「ラテン語」や「音楽」といった京都府立大学にこれまでなかった科目も、本学の学生に人気を博しています。幅広い教養教育を通じて多様な分野に視野を広げることで、その先の専門性への関心や学習意欲も高まっていくと考えています。

三大学の学生が共に学び、刺激し合う最先端の教育・研究施設が誕生

施設内の様子

「教養教育共同化」のもう一つの利点は、三大学の学生が同じ空間に集い、共に学ぶところにあります。専門分野も、また将来の進路も異なる学生たちが、同じ授業を受け、議論を交わしたり、協力して課題に取り組む中で、新たな価値観を見出したり、想像もしなかった発見を得られるような「化学融合」が生まれることを期待しています。

 中核となる稲盛記念会館は、講義室、視聴覚室、コンピューター室、研究ゼミ室の他、学生が自由に使える自習室やレストランも備えています。隣り合わせた他大学の学生と友達になったり、同じ空間で一緒に勉強し、個性の異なる他大学の雰囲気に触れる経験の一つひとつが、学生の刺激になってくれればうれしいですね。

 将来的には、「北山文化環境ゾーン」の一角を成す施設として京都府民にも門戸を開き、学生同士に留まらず、より多くの方々と交流できる施設へと発展させていきたいと考えています。多様な人々が集う最先端の教育・研究環境で三大学の学生たちがどのような成長を遂げるか、楽しみです。

 稲盛記念会館の建設にあたって、規文堂が高度な教育・研究を可能にする空間づくりをお手伝いしました。株式会社愛知の協力を得て、パソコン収納型の机、一体型のイス・机、黒板・ホワイトボードなど、各教室の目的・機能に合わせ、什器を納入しました。

from Kibundo:日本で初めての最先端の教育の一端を支える誇り

株式会社規文堂 上松 孝次

 「教養教育共同化」というこれまでに例のない最先端の教育に取り組まれるにあたり、その一端を担わせていただいたことは弊社にとっても誇りであり、心から感謝しています。

 弊社は、京都を拠点に70年近くの歴史を持ち、図書館や大学・小中高等学校、公共施設を中心に、実績を重ねてきました。これからも設備・什器といったハード面から、日本の教育を支えるお手伝いをしていきたいと願っています。

設備・什器